節分。ただし、投げるのは発酵した豆
Photo:Natto By snowpea&bokchoi
今週のお題「節分」
昔、京都大学のクスノキの前で、豆を投げつけ合っている輩を目撃した。それも、発酵した豆、つまり納豆である。
彼らは納豆を全力投球しようとするも、納豆の強力な粘着力のために手から離れて行かず、弧を描いて戻ってきた納豆に顔面や頭部をぶつけて、ネバネバになっていた。
納豆フリークの私としては、なんてもったいないことをするのかと、当初は憤懣やるかたない心持ちであったが、あまりに楽しそうに納豆をぶつけ合うバカ京大生達の姿にむしろ羨望のような気持ちが芽生えてきた。
彼らは、理想的な大学生とは言えないかもしれない。社会的に要請されるエリート像からかけ離れているかもしれない。それでも、彼らは世界中の誰よりも青春を謳歌していた。納豆でネバネバの彼らが輝いて見えたのだ。
大学改革の必要性が訴えられて久しい。だが、改革によって学生の自由が奪われ、彼らのような大学生の居場所が無くなるようなことにだけはなって欲しくないと、切に願っている。